病院モバイル考


この数ヶ月、とある事情で入退院、自宅療養などを繰り返す日々が続きました。
入院は4月と6月に2回、トータルで3週間ほどでしょうか。
その最中不便だったのは、外部との連絡手段がこちらからの公衆電話のみ、ということでした。
一応、ごく親しい人にだけ入院する旨を連絡しておいたのですが、この期間中に思わぬ人から大事なメールが来る可能性もあります。体調の良いときにちょっとメールの確認ができればいいなぁと思ったのですが、病院では通信ができませんでした。
とりあえずE-500を満充電にして持ち込みはしました。一見電子手帳サイズのE-500なら誰にも見咎められないだろうと思ったのです。しかし悲しいことに充電切れの時がやってきてしまい、極限まで使ってしまったせいか、フルリセットの憂き目にあいました。(慌ただしい入院だったので、乾電池ケースを持ってくる余裕がなかったのです(;_;)

このように問題はまず電源で、一応ベッドの近くにコンセントはあるのですが、個人的なものを充電したりするのは禁じられていたのです。(テレビは、「テレビカード」というものを購入する形になっていました)
そして当然携帯・PHSも使用できないので、グレ電を使うという手もあったのですが、入院患者のロビーは普通の緑の公衆電話でした。(グレ電があるのは1階の外来患者のロビーのみでした)
もっとも私もとにかく体調が悪かったので、「何が何でも通信するぞ」という熱意は生まれませんでした。そして数日すると、今まで家では毎日していたメールチェックの習慣も忘れかけてきました。

私のメールの内容といえば、友人とのやりとりが主ですが、会社員の方などが仕事でどうしてもメールチェックをしなければいけない場合はどうするのかなと、ふと考えてしまいました。
私が入院したのは比較的大きくて新しい総合病院だったのですが、ここに限らず、「病院でパソコンを使う」「メールチェックやWEBを見る」という考えはまだまだ浸透していないように思われます。
病棟内でも、ざっと見た感じパソコンを開いている人はいませんでした。
やはり事情を話して特別に許可をもらうのでしょうか。これだけ仕事にもプライベートにもメールが普及すると、使えない状況になったときに困る人も出て来るんだろうなぁと思います。

少し話はそれますが、私はちょっと体調が良かったときに音楽を聴いたり本を読んだり、文章を書いていました。
文章はノートに走り書きしていたのですが、紙に書くと人に見られたりするおそれもありますし、保存にかさばるのが少し嫌です。
それで書いたものをE-500に再入力していたのですが、これがかなりの労力で途中で止めてしまいました。
通信はともかくとして、電源の心配をせずキーボードで楽々文章が打てる機械があれば病院でも使えるのになぁ、とつくづく思いました。
冬にはまた入院する予定があるので、何とかならないかと考えはじめました。普通のノートパソコンだと、すぐに充電切れするのは目に見えています。

・・・・そして先日性懲りもなくイギリスPsion(サイオン)社のPsion5mxという小型モノクロマシンを買ってしまいました。キーボード・軽さ・乾電池駆動の点でなかなか良いです。正式に日本語化されていないなど問題点は多少ありますが、液晶も見やすく、小さい筐体に打ち易そうなキーボードが並んでいます。買ってから数日経つのに、電池もまだ交換していません。よけいなケーブルがないので、トイレやお布団の上でも気軽に持ち運んでキーボードを打っています。
次回の入院に備えてこのマシンをより使いやすいものに仕上げていくつもりです。
入院中のみなさんがもっと簡単にパソコン使用、通信etc.ができる環境が整ってくると良いと思います。電磁波の問題や、周りの人へのマナー、その他いろいろあるでしょうが、病院って長くいると孤独を感じることも多いと思うので....。


2000.7.17UP