旅先モバイル考


私は年に何回か友人と旅行をします。
学生時代のゼミ仲間だったり、会社の元同僚だったりそれぞれ顔ぶれは違うのですが、その際旅先にはパソコンは持っていったことがありませんでした。

ところが前回の旅行で、形だけでも「旅先通信」というものをやってみたくて、初めてJornada680を持って行きました。
一応友人に断りを入れてから部屋の隅っこで通信をはじめましたが、結果は失敗でした。
通信そのものはできたのですが、私がそういう作業をしている間、友人たちは何となく手持ち無沙汰な感じで盛り上がっていなかったようなのです。
夢中だったのでそういう雰囲気になかなか気付くことができず、皆に申し訳無いと遅ればせながら反省しました。
ロビーでやるとか、皆が寝てからやるべきだったのです。

私たちの旅行といえば、日常から離れた開放感、ゆったりと気持ちの良い温泉、夜を徹してのおしゃべりです。
そういう中に、日常を象徴する「パソコン」を持ち込んだ場合、場がしらけるのも仕方ないかもしれません。
「旅先でまで、どうしてそんなもの必要なの....!?」と、不思議なのでしょう。
私も趣味でなければそう考えたに違いないです。
パソコン雑誌では、浴衣姿の女の子たちがノートパソコンを開いてワイワイやっている写真が載っていたりしますが、実際にまだまだあのような光景はめったに見られないものではないでしょうか。

携帯やPHSも広義でいえば「モバイル機器」なわけですが、こちらは生活に溶け込んでいるものですから誰かが部屋の中で使っていても気になりません。
ポケットボードや小型のメール端末もだいぶ普及してきたようですが、誰もが抵抗無く受け入れられるようになるのは、もう少し先かもしれないな、と思います。

旅先では、電源・通信線の確保、重たくなる荷物などなど何かと厳しい状況がある訳ですが、それでもなお、あちこちでメッセージを送ろうとする人たちがいます。

「旅先通信」は現状では一部の人たちだけのものですが、今後どのように一般の人に浸透していくのか.....?
「旅先通信」の真の意義(必要性)・魅力とは....?

このときの旅行の件で、いろいろと考えてしまいました。


2000.2.10UP