アイデアためこむインクワープロ


今まで私は、このホームページの下書きを紙に書いていました。
修正や段落の入れ替えなど体裁を気にせず、思ったことをどんどん書いていき、後で母艦のデスクトップでHTML化していたのです。
・・・・もちろんミニコンピューターのキーボードを利用して文章を直接入力することもあります。
しかしここ最近、ボールペンで紙に書く頻度が高くなっていました。
考えが先走って、キーボードでの入力が追いつかないのです。

---思ったことを即時に文章にすること----アイデアを積み重ねていく段階では、このスピードが非常に大事な気がします。
そういう訳で「キーボード好き」を自認する私ですが、こと下書きについては、紙にサラサラとペンを走らせることが多くなっていました。

MI-E1にはキーボードが付いており、私などそれが目当てで買ったと言っても過言ではないのですが、告白してしまうと、最近MI-E1で文字を打つことは殆どありませんでした。
revoPLUSなど打ちやすいキーボードを持つデバイスに気持ちが向いてしまっているうちに、「慣らし」をすっかり怠ってしまったのです。

「MI-E1で長文入力」計画は半ば挫折しかけていたのですが、最近ビデオ再生などでMI-E1を活用する機会が多くなり、ひょんなことから入力に関する素晴らしい機能に気付きました。

それは「インクワープロ」です。
ザウルスMIユーザーならほとんどの人が知っているであろうこのソフトの良さを、購入6か月にして初めて知ったのです。
確かにマニュアルは読んだはずなのに、なぜこのソフトにそれほど関心を抱かなかったのか....。
そもそも私はこれを単なる簡易ワープロだと思い込んでいました。
「長文入力はキーボードで」という先入観があって手書認識の入力には全く興味がなかったこと、またファイル管理がしやすい素晴らしいエディタがMOREソフトで出ていることもあり、目が向かなかったのです。

ある時、間違って指が触れたのか、いつの間にかインクワープロが起動していました。
入力方式が「インク文字」になっていたのに気付かぬまま(「手書認識」のパッドと区別がついていませんでした)、何の気なしにマス目に文字を入れてみました。すると自分が書いた字そのままが罫線の上に並んでいきます。
「あれ、何だか普通の文字認識と違うみたい。活字にならないし、何で私の筆跡そのままの字がどんどん書かれていくんだろう....?」

画面右上には「清書」のボタンがあります。心の片隅にあるマ二ュアルの内容を思い出しながら、そのメニューボタンを押すと、手書き文字の並んでいた画面が変わり、それらの文字がテキストデータに変換されました。
しかも誤変換の場合は「変換候補」まで表示されるのです。
まさにちょっとした「OCR変換」で驚きでした。

「これならE1で下書きすれば、テキストデータにすぐ変換できて、すごく便利なんじゃない....!!」

遅ればせながらそのことに気づいて、思ったことを書き殴っては清書しました。
思えばこれが私とインクワープロの真の出会いだったのでしょう。
・・・・このようにして インクワープロを使ったE1は私の下書き&アイデアマシンとなったのです。


では改めて、インクワープロの利点を、私なりにまとめてみたいと思います。

●紙に字を書くような感覚で、メモを取ったり文章を書いたりできる。
 (その際、文字の大小を気にせず、マス目に1文字ずつ字を書いていけば、自動的に罫線上に文字列を並べてくれる。ちなみにWinCEの「メモ帳」などは、罫線にダイレクトに文字を書くので、大きさや位置に気を使わないといけない)

●手書き文字(インク文字)を「清書」することによって、テキストデータに変換できる。

●手書き文字(インク文字)は漢字、ひらがな、アルファベット、数字などの混在が可能で、ちゃんと変換候補を出してくれる。

●変換後も、ひらがなを漢字にする機能がある。


・・・・このように、インクワープロは紙にペンを走らせるのに近い感覚で文章入力をすることができ、更にそれをデジタルデータ(テキストファイル)化してくれるという、大変素晴らしい「入力ツール」だと言えます。

気になる点といえば、インク文字が長文の場合、一気には清書できず、ある程度の量まで変換し終えたら再度清書ボタンを押す必要がある、ということぐらいですが、これもイライラする程の手間ではありません。

何より大事なのが、思ったことをリアルタイムで素早く入力できる、ということなのです。



次に、ここで入力→清書し終えたテキストファイルをどう活用するかということを考えてみたいと思います。
(私の忘備録的な記述もあるので、ご存知の方は飛ばし読みしてください)

◆インクワープロ単独でファイルを管理する場合

まずはじめ、何も考えずに文章を入力していった場合、データは「未分類データ(全インクワープロデータ)」のくくりの中に保存されます。
これらのデータをジャンルごとに振り分けて管理しようと思います。

タイトル一覧画面で目的のファイルにカーソルを合わせた状態で「操作メニュー」を押すと、「ファイルに分類」という項目があります。
ここでは既存の「情報ファイル」の一覧が出てきますが、私は新たに「日記」、「HPアイデア」などの分類項目を作りました。
選択したファイルをどの場所に入れるか決めるわけです。

分類項目を選んで「登録」を押すと、そこにファイルが入ります。
他のファイルに関しても同様に振り分けができます。

次回からは、メニューの部分をタップし、分類項目を選んでおいて、新規に文章を入力していけば、自然とその配下に文章が作られていきます。
もちろん、どんどん「未分類データ」に文章をためていって、後から振り分けたり、項目間での移動も可能です。

また、インクワープロ内の全データを見たければ、プルダウンメニューを「インクワープロ」に戻せばよいのです。



先日せっかく「レポート&自由帳」を買ったので、これらのテキストファイルをコピー&ペーストして、自分なりのデータベースを作ってみたいです。(手始めに日記帳などをまとめる予定です)


 

◆インクワープロデータをPC(Windows)に持っていく場合

次に、インクワープロのデータをPCに保存・活用してみようと思います。

PCへ持っていくには次のような方法があります。

●清書後のテキストデータをコピー&ペーストでエディタなどに貼り付け、メモリーカード経由でPCにコピー
●ザウルスパワーコネクション(以下パワコネ)でインクワープロデータをPCに受信する機能を使う


以上のような方法がありますが、一応パワコネが手元にあるので、そちらの方法でやってみます。

【手順】
1.PC側のパワコネで、「エクスプローラ画面」にする。
2.「ザウルス通信(Z)」の中から「本体メモリー」または「カードメモリー」を選ぶ(→私の場合:カードメモリー)。
3.「インクワープロ」の項目をダブルクリック→ザウルス側は「PCリンクスタート」。
4.「インクワープロのディレクトリ情報を追加しています」とのメッセージが出て、カードメモリー内のデータが表示される。
(ここでは一行目の文が表示されるのではなく、「日付.時間.txt」という表現:「2001.7.24 11 32 PM.TXT」)
5.これをパソコン側に受信したい場合、1ファイルのみでよければそのままダブルクリック、複数指定の場合は、選択して右クリックすると「パソコンへ受信」メニューが出てくるので、それをクリック。
6.すると、データ形式(テキスト文書(*.txt))、受信するフォルダの指定などができる。
7.「実行」を押すと、PC側にテキストファイルとして持っていくことができる。


・・・・以上のような流れで、テキストファイルをPCに持ってきました。
最近ではこれらの文章をHP作成ソフトにコピーしてページを作る機会が多くなりました。



私にとって、インクワープロ(インク文字)はタイトル通り、アイデアをどんどんためていくための道具です。
もちろんキーボードにはその特長を活かした使い道があると思っています。
けれども下書きからテキストファイルへの変換までがこの小さいMI-E1がこなしてくれるのは、大きな力ですし、ここまで「手書き」が実用的に使えるのも、認識率の精度が高いおかげだと思います。

また「アイデアの管理」の面でも紙と違って、かさばらず、基本的に紛失の心配がなく、いろいろなメディアにバックアップが取れるのが良い点だと思います。
特に先日、下書きした紙を10枚ほど紛失してしまい、かなりガックリきてるので、一層管理の大事さを痛感しました。


「インクワープロ」は他のミニコンピュータに類を見ない素晴らしい機能(ソフト)です!!
MI-E1の使い道がどんどん広がっていくのを感じています。


2001.8.3UP

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