電子書籍化はライフワーク


私が「電子書籍」というものに興味を持ち始めたのは、5年ほど前のことです。
読書が好きで、わりとマイナーな文庫なども読んでいたのですが、ある時ふと考えました。
有名な作家の本やベストセラーなどはいずれ電子化されるかもしれない。でも今読んでいるこの本は絶対無理に違いない、と。
本はたまっていく一方だし、紙も劣化します。これは自分でやってみるしかない、と思いました。

本を見ながら手入力するのは非効率だし、ミスも多そうです。
そこで考えたのが、スキャナを使ってのOCR変換でした。当時会社でスキャナを使う仕事もしていたので免疫はあったのですが、今ほど普及しておらず、値段も高価でした。

ともあれ基本解像度400dpiのものを入手して、スキャニングをしてみました。
400dpiで文庫の見開き2ページを読み込むと、約2MBのファイルサイズになります。
はじめはスキャンしたファイルをすぐOCR変換→修正していたのですが、能率が上がらないので、まとめて何ページ分もスキャニングして、後から変換する手順に切り替えました。
ハードディスクがすぐいっぱいになってしまったので、外付ドライブやCD-RWなどを買い足していきました。

こつこつ作業を進めた結果、文庫本30数冊分が最後まで処理でき、少しだけ本を減らせました。
スキャンだけなら、保存したい文庫はほぼやり終えたのですが、OCR変換の作業が遅々として進みません。
いちばん手間がかかるのが、この「変換ミスの修正作業」なのです。
文庫一冊分で何日費やすことか....。ちょっと停滞気味です(^^;)


次の段階としては、デジタル化した作品をどうやって読むかです。
本はいつでもどこでも気軽に読みたいので、当然軽量コンパクトなマシンでないといけません。
ゆくゆくはコミックの電子化も考えていたので、文字が基本のブックリーダー機では役不足でした。 

そしてマシンはPC110、カシオペアforドコモ、E-500と変遷を重ねます。

PC110は、T-Time(文書ビューワソフト)のインストール条件に適わず、あきらめました。
E-500では、「文庫本として持ち歩こう」のところで触れた通り、優秀なオンラインソフトにより、文字ベースの電子文庫化はかなり理想に近い形になりました。
コミックの方は試しにE-500で表示してみましたが、描画自体は見易く、綺麗です。
しかし画面サイズが小さいので、どうしてもスクロールを使うことが多く、こちらはノートPCなどで読む方がストレスを感じずに済みそうです。
サイズを取るか、読みやすさを取るか....。
今後更に良いビューワマシンが出ることを期待したいです。


最近では幅広い分野で出版物のデジタル化が進んでいるようですが、「電子書籍」がさまざまな課題をクリアして、ますます発展していくことを祈るばかりです!!


2000.2.10UP