昨年(2000年)秋にm100を購入して以来、短いお付き合いでしたが、Palmとひとまずお別れすることにしました。
Palmの魅力をわかっていないかもしれない私がこんなことを書くのは恐縮ですが、「現時点のPalm」を愛用することができなくなってしまったのです。
そもそも私がPalmを欲しいと思ったのは、
1)軽くて持ち運びが苦にならないこと
2)メモ帳代わりにサッと取り出して書けること
3)文庫本代わりに文章が読めること
4)スケジュール管理ができること
5)乾電池など入手が楽な電源であること
などが理由でした。
それほど高機能でなくても、とにかくいつでもどこでも持ち歩けるシンプルなPDAが欲しかったのです。
その点で言うと、Palm(m100)は上の条件をすべて満たしているかもしれません。
しかし実際に使っていく上で、不便だな、面倒だな、と思うことがいくつか出てきたのです。
まずひとつ目は、「3)文庫本代わりに文章が読めること」についてです。
私ははじめ、「Palmで読み込めるプレーンなテキストファイル(メモ帳)が4KBまで」という制限があるのを知りませんでした。
それ以上の容量のものはDOCファイル化する必要がある、というこの点がまず最初の引っかかりでした。
もちろんWEB上ではすでにDOC化された読み物もたくさんUPされてますし、DOC化の作業自体もそれほど難しくは無いと思います。
けれども私は自分で文庫本をテキストファイル化しているため、それらのいくつものデータをいちいちDOC化するのは非常に面倒なのです。
単にプレーンなテキスト(4KB以上)をビューワソフトで閲覧したかっただけなのです。
それが容量の制限によって、実現できない(ステップを踏まなければいけない)と知ったときは、かなりがっかりしてしまいました。
要するに私の勉強不足なのですが....。
そして次に感じたのが、スケジュール管理でPCとシンクロする際、PalmDesktopがやや不便だなということです。
PalmDesktopそのもの(単体)は使い勝手の良いソフトだと思っています。
しかし私は普段母艦のデスクトップで「Outlook」を利用しているため、連絡先・予定などのデータをいちいち変換して(またはコピー&ペーストして)PalmDesktopに持っていっていたのです。
「IntelliSync」などを買えば良かったかもしれませんが、なかなか高価なソフトで手が出ませんでした。
また、Palm単体で入力をしてみて、スケジュールの方は別に良かったのですが、問題はアドレスでした。
新しいアドレスが入るとそれをPalmDesktopにシンクロ→変換してOutlookの方にも追加、という二度手間が発生しました。
そういう流れの悪さがあり、面倒だな〜という気持ちが徐々に沸いてきたのです。
もちろんそれ以外の、サイズや手書きメモ、乾電池駆動、軽快な動作などは素晴らしい美点だと思っています。
けれどもそんなPalmの前に強力なライバルが現れてしまいました。
「DataSlim2」です。
雑誌の記事を見て「二度惚れ」したDatasSim2は、私がPalmに求めていた役割をほぼ満たしてくれた上に、足りなかった点(というか不満だった点)を解消してしまったのです。
DatasSim2 | Palm m100 | |
画像 | ![]() |
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サイズ | PCカード型サイズ 35g | 118×79×18mm 137g |
電源 | コイン型電池CR2016を2個 入手しやすい |
単4電池2本 入手しやすい |
電池のもち | 約2ヶ月?(使い方によっては変更あり) | 約2週間?(使い方によっては変更あり) |
テキストファイル | 容量の制限は不明だが、20KB以上のテキストが読めるので、私にとっては実用的 | 4KB(メモ帳)まで DOCファイル化で大容量も可能 |
PCとのシンクロ | IntelliSync for DataSlim2標準装備 Outlook、Organizerなどとシンクロ可 |
PalmDesktop標準装備 別売でIntelliSync for Palmなど |
拡張性 | アドインソフト8個まで追加可 フリーが多い ソフト数は少なめ |
メモリ容量の許す限りインストール・カスタマイズ可 膨大な数のソフトあり シェアウェアが多い |
手書きメモ | アドインソフトで使用可能 | 標準搭載 |
文字入力 | ソフトキーボード | Graffiti、ソフトキーボード、外付キーボードなど |
辞書機能 | 旺文社(英和・和英・国語)標準搭載 | 英和・和英標準搭載 フリーの他、辞スパなどの市販品もあり |
まず、DatasSim2はサイズが圧倒的に小さいです。
それに電池は比較的入手しやすいコイン型(CR2016)で、使い方によっては約2ヶ月ももつとのこと。
IntelliSyncも標準装備で、Outlookとの連携もばっちりです。
アドインソフトは8個までという限界がありますが、よく使うソフトは決まっているので、別に苦にはなりません。
そして最大の懸案であるテキストファイルの読み込みですが、テキストを素直にそのまま取り込め、ファイルサイズの制限も当然4KB以上のようです。(どれくらい大容量が読み込めるか実験はしていないのですが)
ともかく私が欲しかった機能がほぼ完全に使えるのです。
「常に持ち歩き」PDAの座は徐々に移っていき、Palmはここ数ヶ月スイッチが入らなくなっていまいました....。
・・・・愛用のマシンというのは、自分の欲しい機能ができるだけストレス無く使えることが大前提で、それにデザイン・機能美・ブランドなど好みの要素が加味されるのだと思います。
もちろん欠点や足りないところなどは、ソフトで補う、という手もあると思います。
現に今私が所有するどのマシンにも、標準ソフト以外のオンラインソフトなどが多数入っています。
ただ、Palmに関してはカスタマイズの楽しみよりも、シンプルな基本機能のみを追及していました。
メモ帳・手帳・文庫本としての役割のみを期待して、余計な手間はかけたくなかったのです。
その点でテキストファイル4KB制限の壁は厚かったです。
新しいPalmOSでその点に変化があるか期待していましたが、どうなのでしょう。(最近じっくり調べていないのでわからないのですが....)
いずれにせよ、当然人それそれニーズや好みの違いがあるわけで、「今のところ」Palmは私には合わなかったのかなぁと思います。
(その舌の根も乾かないうちに新製品を買ったりするかもしれませんが....(^^;))
そういう訳で、従来から更新が滞っていたPalmのコーナーですが、一旦休止することにしました。
いつか胸ときめくPalmに出会えたら新コーナーを立ち上げるかもしれません。
ぜひぜひこれからのPalmに期待したいです。
そして、今度は事前にもっとしっかり勉強して購入しようと思っています。
ではしばしの間、「さらばPalm」です....!
2001.9.8UP
2001.9.27再UP
※このコラムは「Palm m100」のコーナー(休止中)で2001.9.8に公開したものですが、場所を移して再掲いたしました。